赤坂在住の夫婦と娘と赤ちゃんによる日記と地元情報。 食事、映画、読書にアート、何でもありのブログです。 第二子誕生しました!


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タグ:ジョイス・キャロル・オーツ ( 2 ) タグの人気記事

マリリン・モンローの生涯を描いたジョイス・キャロル・オーツの長編フィクションが『ブロンド』。巻頭で著者が「フィクションという形を借りて「人生」を徹底的に蒸留したもの」と述べているようにセックスシンボルの一生を詳細に描写しているが、「実在のマリリン・モンローの残した詩から2行だけ引用した」りで「彼女の伝記的な事実を本書に求めるのは筋違い」な完全なフィクション。
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ハリウッドの落伍者である母親との貧困な生活と長い孤児院時代から始まるノーマ・ジーンの自伝は暗く不幸で、我々が知るマリリン・モンローの華やかなハリウッドのイメージと対照的です。 詩を愛す献身的で純粋な少女は里親や教師に気に入られようとしますが、目立つ彼女の外見が知らず知らずのうちに大人を惹き寄せ、セクシャルな女としての一面を早くも発揮。 田舎町での早い結婚と献身的かつ愛情に飢えた彼女の生活は大戦のピンナップガールに登用されることで一気に展開することに。

セクシーな雑誌のモデルからハリウッド映画のデビューはトントン拍子で進み、エージェントとの関係や業界の中で揉まれる絶世の大人の美貌を持つ少女は、辱められ、傷つきながらも成功への道を静かに歩んでゆきます。 美人でグラマラスなだけで中身のないブロンドの代表みたいなイメージに対し、現代アメリカ文学界の女王は演技を真剣に学ぶ勉強熱心で向上心のあるアイコンの姿を悲壮に描写。 セレブ達との乱れた関係、大リーガーや劇作家との結婚生活の根底には捨てられた父親への求愛とコンプレックスがあり、付きまとう女性にしか理解できない生理現象と刹那的な精神病を持つスターの人生は最後まで過酷なまま終わります。

ジョイス・キャロル・オーツは女性を主人公にした小説でそのパワーを発揮する気がします。 多作な彼女の作品が今回のような上手い翻訳で今後も出版されるといいなと思いました。
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by yesquire | 2009-10-24 17:28 | book
とにかく多作なJoyce Carol Oates(ジョイス・キャロル・オーツ)ですから気を抜いているとコンセプトも出版社も前と全く違う形で本屋に並ぶので大変です。 ’Freaky Green Eyes’(フリーキー・グリーンアイ)は最近流行なのか、よく理解できないYA=ヤングアダルトなる分野での出版となりました。 
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シアトルに住む超有名元フットボールスターを父に持つ思春期の少女の家族の話。 厳格かつ裕福でスポーツマンの父親と繊細で芸術家肌の母親が別居する所から始まり、主人公の内面が細かく明快に描かれています。 早い段階で母親と「話したのはこれが最後」となってしまった少女の家族に起こる事件と内面の変化をテキパキと料理するかのように仕上げています。 

Joyce Carol Oatesは必要最低限の言葉や文章で、時には冷淡に感じますが、情景や心境を表現する能力を持った作家だと思います。 翻訳も上手なのでどんどん読ませる原作者の文章が分かり易く1日で読めてしまいました。
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by yesquire | 2006-11-29 22:58 | book