赤坂在住の夫婦と娘と赤ちゃんによる日記と地元情報。 食事、映画、読書にアート、何でもありのブログです。 第二子誕生しました!


by yesquire
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タグ:アメリカ文学 ( 38 ) タグの人気記事

湾岸戦争や9/11が起きる前のヴェトナム戦争に関する論争が盛んだった頃に読みたかったのがTim O'Brien(ティム・オブライエン)の「僕が戦争で死んだら
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前からヴェトナム主題の彼の小説は正直あまり読書欲が湧きませんでした。 やっと手にとるようになってその時代に触れていればと後悔、ポスト9/11の現在の自分にはリアリティーというか刺激が薄れてしまった印象です。 CNNが湾岸戦争を現地からレポートし、貿易センタービルが崩落するのをリアルタイムで観てしまえば、死と隣り合わせのヴェトナムでの進軍や戦友の描写は微妙に心に響きませんでした。 

それでも最後まで読んだのは詩的でアカデミックなオブライエンの文章と戦場で経験したものにしか描けない鋭い文章だったからでしょうか。
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by yesquire | 2007-08-29 22:56 | book
真珠湾攻撃の時に出会った夫婦の長い人生を描いた「結婚のアマチュア」は僕の大好きな作家の1人であるアン・タイラーの作品です。 文庫本で和訳が出たので見逃していましたが、自分達の結婚1年を過ぎた時に見つけたのは何かあるのかなと思いました。
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知らない人には「アメリカの向田邦子だよ」と紹介することの多いアン・タイラーは、男女の細かい心の動きを心憎いほど大胆に表現します。 「そうそう、こんな時ってあるよ」みたいな心境や状況がどんどん続きます。 そして彼女の他の作品同様、登場人物は皆どこか欠点を持っています。

一目ぼれで結婚したカップルも妻は向こう見ずで気まぐれ、夫は慎重すぎて面白みがなく、可愛かった娘もある日突然失踪してしまします。 設定としては普通なんですが、我々が忘れてしまうか気にしない微妙な心の中がページにどんどん描かれていきます。 

「偶然の旅行者」や「ブリージングレッスン」などの名作と比較すると小ぶりな感じもしますが、秀作には間違いありません。 歳とってから読み返す本がまた一つ増えました。
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by yesquire | 2007-01-11 22:26 | book
アメリカで9年ぶりの新刊’Against The Day’が出版されたThomas Pynchon(トマス・ピンチョン)の60年代の作品が「競売ナンバー49の叫び」です。
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LAのエディパ・マースという女性が以前愛人だった金持ちの遺言執行人に任命されてからストーリーが始まります。 他の作品と同様めまぐるしく出来事が起こり、場面が変わり、登場人物が現れては消えます。 この作品も最初から「読者をテストする」ような知識を展開し、「留まる所がない」スピード感が支配しています。 

日本語訳も70年代のものですから多少違和感はありますが、突然終わるラストの数行を読んだ後はグッタリでした。 歴史、文化、芸術、地理、サブカルチャーと様々な方向に話のベクトルが向かいます。 ピンチョンの作品は10ページ程度読んだら休むくらいが一番いいのかもしれません。 実は寺山修司が翻訳を途中までしていたと解説にありました。 ちなみにこの本の装丁はすばらしいと思います。
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by yesquire | 2006-12-22 12:27 | book
食欲よりも読書の秋が続くようです。 『12番目のカード』は夫婦そろって大ファンのJeffery Deaver(ジェフリー・ディーバー)最新作です。 車イスの元科学捜査官リンカーン・ライム、すっかり恋人になったアメリア・サックスとその仲間が南北戦争後の開放奴隷と何故か狙われるその子孫の事件を解決していくストーリー。 ジェニーヴァというティーンを狙う犯人の策略や彼女本人の環境などお得意の「どんでん返し」は我々を驚かせます。
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シリーズには辛辣で頑固なライムが、四肢の不自由な自分を初めて目にする相手の行動について語る場面が必ずあるのですが、読む度に障害のある方を見かける時に考えさせられるなーと自問してページをめくるスピードが鈍ります。

ジェフリー・ディーヴァーも早く次の作品が日本語訳されないかなーと首を長くして待つ作家の1人です。

週末は可愛い姪達に会って元気をもらいました。
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by yesquire | 2006-12-03 21:40 | book
とにかく多作なJoyce Carol Oates(ジョイス・キャロル・オーツ)ですから気を抜いているとコンセプトも出版社も前と全く違う形で本屋に並ぶので大変です。 ’Freaky Green Eyes’(フリーキー・グリーンアイ)は最近流行なのか、よく理解できないYA=ヤングアダルトなる分野での出版となりました。 
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シアトルに住む超有名元フットボールスターを父に持つ思春期の少女の家族の話。 厳格かつ裕福でスポーツマンの父親と繊細で芸術家肌の母親が別居する所から始まり、主人公の内面が細かく明快に描かれています。 早い段階で母親と「話したのはこれが最後」となってしまった少女の家族に起こる事件と内面の変化をテキパキと料理するかのように仕上げています。 

Joyce Carol Oatesは必要最低限の言葉や文章で、時には冷淡に感じますが、情景や心境を表現する能力を持った作家だと思います。 翻訳も上手なのでどんどん読ませる原作者の文章が分かり易く1日で読めてしまいました。
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by yesquire | 2006-11-29 22:58 | book
ジョージ・プリンプトン(George Plimpton)はスポーツを対象にしたドキュメンタリーを確立した作家で、「ペーパー・ライオン」(Paper Lion)では本当にプロのフットボールのチームに加わって小説を書いていました。 サッカーの取材とインタビューの記事しか載せない日本のスポーツメディアとは格段の差があります。
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で、この本は今まで見たことも無い早い球を投げる青年がメジャーでデビューするという話で、1980年代の米メジャーが舞台になっています。 1990年に日本語訳が出版されたのですが、当時は今程大リーグの情報が入っていなかった。 で、この本を読んで選手の名前とか色々覚えた記憶があります。 それよりも作品に登場するアメリカのスポーツメディアに触れられた事が良かった。

ジョージ・プリンプトン(George Plimpton)は有名な文芸誌The Paris Reviewの発行にも関わっていました。 通好みの作家がこういった誰が読んでも楽しい作品を書くところが懐が深くていいなと思いました。
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by yesquire | 2006-06-24 23:38 | book
「すべての美しい馬」はアメリカ南部を舞台にしたカウボーイが主人公の物語。 若いカウボーイとインディアンの友人が、乾燥した荒野と農場を舞台に危ない目に合いながらも成長して行く。 馬を中心に馬具、銃、農場や景色などの描写がきめ細かく、美しい小説です。
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New York Timesが選ぶ過去25年のベストフィクションの候補にもなった三部作の中で一番ポピュラーな小説、失敗しましたが映画にもなりました。 主人公達が話す会話はぶっきらぼうで南部なまりがあり、登場する人物もクセのある人間ばかりです(英語で読むと知らない単語だらけです)。 フォークナーの後継者と言われるコーマック・マッカーシーはまさに現代のアメリカを代表する作家の一人ではないでしょうか。

最初に読んだ時は「集中しにくい」本だったのですが、読んでいくうちにアメリカ南部の景色が思い浮かぶようになり、完全にはまってしまいました。 銃を打った後の匂いもする気がしましたね。 年齢を重ねてからもう一度読み返したいと思っています。 
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by yesquire | 2006-06-22 22:32 | book
嫁さんのいない間に好きだった本を記録してみます。 「愛している」は1980年代中頃のアメリカの田舎にある雑誌の編集部を舞台にした恋愛小説。 原題のLove Alwaysは手紙の最後に書く言葉で、普通、気軽に書いているので「愛している」の邦題が適切かどうか分かりません。 不倫している女性編集者と若くて名声と美貌を持つ姪が中心、日記のように語られています。
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登場人物が聞く音楽や当時の政治家などの話も織り交ぜ、時代を感じさせる物語です。 まだ若かったので、「アメリカ人ってこんな事してんだ」とか「変な考え方だな」などストーリーとは別の人物の描き方や会話に夢中になっていた記憶があります。

作者のアン・ビーティーは日本が好きなようで、昔Esquireに日本のハネムーナーとハワイでツアーに同乗した時のコラムを書いていて面白かったです。

今日は久しぶりに一人で料理作って、フィットネス行って、未明のイングランド戦まで就寝します。
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by yesquire | 2006-06-20 23:41 | book