『エデンの東』 ジョン・スタインベック
2008年 11月 17日
原作がスタインベックだったとは知らなかった映画はお正月に何度か観ていましたが、小説を読むのはもちろん初めてだった「エデンの東」。 ジェームス・ディーンが演じたキャル、登場するのは随分後半でその一族とハミルトン家の2世代に渡るドラマだったことにも驚きました。 更にはまたまた嫁さんが詳しいモントレーやパロアルトといったサンフランシスコ南部が舞台で何故か親近感を感じる始末。 「怒りの葡萄」は中学生の時よく読んだのに、「エデンの東」は軽んじていたことも反省でした。 厳格な父に育てられた貧弱なトラスク家の長男アダムは南北戦争に出征した後放浪の旅を続け、父の死と共に実家に戻りますが、偶然飛び込んできたキャシーを連れて莫大な遺産と共にカルフォルニアへ。 一方アイルランド移民のサミュエル・ハミルトンは貧乏だがユーモアと知識を持ち、健常な妻と共に子だくさんの家庭を築きます。 荒涼とした農地で最先端の発明をし、本で知識をつけた仙人のようなサミュエルは双子出産と同時に妻に拳銃で撃たれた夫アダムを現実に引き戻し、中国系の召使リーと友情で結ばれます。 双子が成長して両家の家族にもドラマが起こって行く展開。
長いのにあっという間に読んでしまった名作の中には、親子の葛藤や血族、戦争や宗教、経済や人種といった様々な要素がちりばめられ、多くの出来事が今の私にも問題を投げかけてきます。 「二十日鼠と人間」もそうですが、常に考えさせられるスタインベックの作品は読んだ後も重く忘れられない印象を残しました。
長いのにあっという間に読んでしまった名作の中には、親子の葛藤や血族、戦争や宗教、経済や人種といった様々な要素がちりばめられ、多くの出来事が今の私にも問題を投げかけてきます。 「二十日鼠と人間」もそうですが、常に考えさせられるスタインベックの作品は読んだ後も重く忘れられない印象を残しました。
by yesquire
| 2008-11-17 21:55
| book