『メモリー・キーパーの娘』 キム・エドワーズ
2008年 03月 29日
ダウン症だった双子の一人を死産と妻に伝えた医師と、施設に入れるよう要請されるも自ら育てる決断をした看護婦とそれぞれの家族の話が『メモリー・キーパーの娘』。
妻は喪失感に悩み医師である夫と距離を置き、無事育った息子は進路で父と対立、主人公の幸せそうに見える家庭は崩壊。 看護婦は苦労を重ねながら自律し発育の遅い「人の子」を育て、愛情に恵まれた家庭と良き理解者に囲まれた幸せなファミリーを築きます。
妹を早く亡くした経験から娘を捨てた医師ですが、内緒で仕送りをして責任感から逃れようと苦悩します。 一方で出産の場面にいた看護婦は実母に対して罪悪感を持ちながら他人の子を育てます。 前半の混沌と比較すると意外にも最後はあっさり結末を迎える物語は好感が持てました。 デビュー作が大きな評価を呼んだルーキーの作品なので細かいことは気にせず読みました。 ベテランの匠な技術や読者との駆け引きが無いのでかえって設定と構成でシンプルに読む者を引きこむ小説。 メモリー・キーパーとは趣味が高じてプロの写真家となる医師のこと。
妻は喪失感に悩み医師である夫と距離を置き、無事育った息子は進路で父と対立、主人公の幸せそうに見える家庭は崩壊。 看護婦は苦労を重ねながら自律し発育の遅い「人の子」を育て、愛情に恵まれた家庭と良き理解者に囲まれた幸せなファミリーを築きます。
妹を早く亡くした経験から娘を捨てた医師ですが、内緒で仕送りをして責任感から逃れようと苦悩します。 一方で出産の場面にいた看護婦は実母に対して罪悪感を持ちながら他人の子を育てます。 前半の混沌と比較すると意外にも最後はあっさり結末を迎える物語は好感が持てました。
by yesquire
| 2008-03-29 22:15
| book