『ロング・グッドバイ』 レイモンド・チャンドラー
2008年 01月 25日
訳者である村上春樹による解説が面白かったのがレイモンド・チャンドラー作『ロング・グッドバイ』。 旧訳では省略されていた詳細な描写が新訳では翻訳家による思い入れから復活、本の厚さも手伝って飛ばしてしまおうかと思った箇所が確かにありました。 余計とも思われるチャンドラー特有のディテイルを村上春樹は「偉大なる寄り道」としてあえて強調しています。 物語は探偵フィリップ・マーロウがロサンジェルスの金持ちと偶然知り合いになる場面で始まります。 富豪の娘と結婚したその男が妻を殺害しメキシコへ逃亡、マフィアや義父も絡んだ状況で探偵が逮捕されると突然その男が自殺。 そこから話は急展開し、謎の美人作家婦人や殺された女の姉が登場、マーロウはますます混沌とする闇の世界で一人孤立しながら事件を解決してゆきます。
村上春樹を含めた作家や評論家が言うとおり、本作品は探偵物ではなくフィクションとして十分読む価値のある小説だと思いました。 もちろんミステリーとしてのヒネリも素晴らしいですが、60年代のモノクロ映画を思い出させるセリフと描写に感心しました。
村上春樹を含めた作家や評論家が言うとおり、本作品は探偵物ではなくフィクションとして十分読む価値のある小説だと思いました。 もちろんミステリーとしてのヒネリも素晴らしいですが、60年代のモノクロ映画を思い出させるセリフと描写に感心しました。
by yesquire
| 2008-01-25 22:16
| book