『ザ・ファイト』 ノーマン・メイラー
2007年 12月 15日
先日惜しくも亡くなった最後の第2次大戦時代の文豪ノーマン・メイラー。 モハメド・アリが復帰戦でジョージ・フォアマンと対峙する「キンシャサの奇跡」のドキュメンタリー『ザ・ファイト』を読みました。 作家が文中でも述べているようにメイラーは比喩の大御所、アリの練習風景やザイール情勢をこれでもかと様々な喩えで描きます。 アリの話し方は「トタン屋根がバタつくように話し続ける」、疎遠になった友人関係は「ボクシングの試合というものは、カスタネットをたたくように偏見を打ち破る」などと、最初から細かい視点で観察しながら得意の比喩で飛ばします。
珍しい「まえがき」で生島治郎が翻訳に大変苦労したと書いてますが、メイラーは詩人のように言葉をぶっきらぼうに並べてストーリーを語る作家だと思います。 おかげで作品後半の試合の描き方はスポーツライティングの観点から傑作と思われる文章になっていました。 ジョージ・プリンプトンと隣りで観戦したそうすが、メイラーが試合前にアリとジョギングしようと提案したのは彼を意識してのことかも知れません。
いずれにしろ時代を代表する作家が逝かれたことは寂しいかぎりです。 日本語で全集作って欲しいなー。
珍しい「まえがき」で生島治郎が翻訳に大変苦労したと書いてますが、メイラーは詩人のように言葉をぶっきらぼうに並べてストーリーを語る作家だと思います。 おかげで作品後半の試合の描き方はスポーツライティングの観点から傑作と思われる文章になっていました。 ジョージ・プリンプトンと隣りで観戦したそうすが、メイラーが試合前にアリとジョギングしようと提案したのは彼を意識してのことかも知れません。
いずれにしろ時代を代表する作家が逝かれたことは寂しいかぎりです。 日本語で全集作って欲しいなー。
by yesquire
| 2007-12-15 21:51
| book