『愛の饗宴』 チャールズ・バクスター
2007年 12月 02日
ミシガンを舞台に不眠症の作家の周辺にいる友人、前妻、バイトの若い女、元哲学教授などの生活をインタビュー形式で描いた佳作が、毎回新鮮な作品で読者を軽くあしらうチャールズ・バクスターの「愛の饗宴」(The Feast Of Love)。 チャールズ・バクスターは変わり者で、ベストセラー常連ではないのに翻訳される機会が多く、日本の出版社も捨てたもんじゃないと思う代表的な作家です。 3年前に出版された本作は、主人公チャーリー・バクスターが散歩中に出会った友人に自分の過去について書くと良いと勧められ、まず本人と前妻から話を聞くことになるストーリー。
モールでカフェを経営する友人の私生活から始まり、破壊的なバイトの女の子とボーイフレンド、出て行った息子の亡霊に悩む老夫婦などの終わってみれば「愛」のストーリーがロマンチックとは程遠い書き方で綴られています。 全てがハッピーエンドとならない各個人の過去や現在、主張や対人関係が独白する言葉で描かれており、ノンフィクションとも読める本作の構成に感心しました。 題名は絵画が趣味の友人が描いた感動的な油絵から。
モールでカフェを経営する友人の私生活から始まり、破壊的なバイトの女の子とボーイフレンド、出て行った息子の亡霊に悩む老夫婦などの終わってみれば「愛」のストーリーがロマンチックとは程遠い書き方で綴られています。 全てがハッピーエンドとならない各個人の過去や現在、主張や対人関係が独白する言葉で描かれており、ノンフィクションとも読める本作の構成に感心しました。 題名は絵画が趣味の友人が描いた感動的な油絵から。
by yesquire
| 2007-12-02 16:13
| book