『血と暴力の国』 コーマック・マッカーシー
2007年 11月 23日
コーエン兄弟製作の映画が話題を呼んでいるCormac McCarthy(コーマック・マッカーシー)の『血と暴力の国』は彼らしい乾燥した詩的な空気に支配された小説。 ボーダーシリーズ並みの細かい武器や背景の描写は無いし、曖昧ですが最近の時代設定に新しい魅力を感じました。 引退間近の保安官、麻薬がらみの殺戮現場から大金を奪ったヴェトナム帰還兵と彼を追う冷徹な殺人のプロが、血の匂いが漂う緊張感の強い南部の町で交差します。 現金を持って逃走する主人公は撃たれ、プロの殺し屋シュガーは殺人マシーンのように標的を消しますが、ベテラン保安官の昔を懐かしむ独白がクッションのように挿入され、ただのハードボイルドと違った味を出しています。
大自然や荒野を少ない言葉で表現する作者お得意の描写だけでなく、市街地での銃撃シーンは冷たい感覚が伝わり現場にいるような錯覚を覚えました。 渋い俳優を揃えた映画も非常に楽しみです。 だた、原題は"No Country for Old Men"なので日本語の題名が意味不明だし、扶桑ミステリーから単行本での出版なので本編後の解説のレベルの低さに驚きました。
大自然や荒野を少ない言葉で表現する作者お得意の描写だけでなく、市街地での銃撃シーンは冷たい感覚が伝わり現場にいるような錯覚を覚えました。 渋い俳優を揃えた映画も非常に楽しみです。 だた、原題は"No Country for Old Men"なので日本語の題名が意味不明だし、扶桑ミステリーから単行本での出版なので本編後の解説のレベルの低さに驚きました。
by yesquire
| 2007-11-23 10:14
| book