『ブラッド・メリディアン』 コーマック・マッカーシー
2010年 02月 09日
New York Times Book Reviewが選んだ過去25年の最高のフィクションにボーダー三部作と共にノミネートされていたのがCormac McCarthy(コーマック・マッカーシー)の『ブラッド・メリディアン』。 荒野、殺戮、掟、酒場、自然、拳銃、メキシコと頭皮狩りを会話のない研ぎ澄まされた言葉で語った作品は、『ザ・ロード』で究極の形となった作者独特の期待や倫理観を突き放す文章のいわば原石でかえって印象を深くした感があります。 主人公の少年は判事と言われる大男と出会い、領土拡大時代の西部でインディアン討伐隊に加わり、殺戮、祝福と彷徨を経験。 当然死の直前まで追い込まれますが、途中でその存在も薄れる程の頭皮狩りの行程が描かれ、西部劇がソフトに見えてしまう荒々しさと無残さを幾度となく少ない言葉で語る章があります。
他作品で映画がヒットしたのでやっと出版されたようですが、この小説を映像にするのはちょっと想像できません。 ちなみに過去25年のベストノベルはToni Morrison(トニ・モリソン)の『ビラブド』で、個人的に最高傑作と評価しているドン・デリーロの『ホワイト・ノイズ』が2番手。 でその下に本作は並べられていました。
他作品で映画がヒットしたのでやっと出版されたようですが、この小説を映像にするのはちょっと想像できません。 ちなみに過去25年のベストノベルはToni Morrison(トニ・モリソン)の『ビラブド』で、個人的に最高傑作と評価しているドン・デリーロの『ホワイト・ノイズ』が2番手。 でその下に本作は並べられていました。
by yesquire
| 2010-02-09 22:01
| book