『ソウル・コレクター』 ジェフリー・ディーヴァー
2010年 01月 09日
今回は比較的シンプルな構成でおおがかりなツイストもなく終わったリンカーン・ライム物最新作が『ソウル・コレクター』。 妊娠中に早々と読んでしまった嫁さんは専門分野の話が多すぎるとの感想でしたが、詳細な他人の情報を最大限に利用して殺人犯に仕立て上げる知能犯が本作の敵。 データ分析専門の会社が保有する個人情報はフィクションとは言え恐ろしい範囲に及び、ページが進むと自分の周囲が気になります。 ライムの従兄弟との過去、アメリアとの関係、それからデータ収集と管理に関する専門用語などわりとしっかりした本筋に絡むサイドストーリーが目立つのが今回の作品。 気が付けば大いにありうる個人情報の悪用が身近すぎて緊張感を沸騰させ、登場人物達の個性も目立たなくなっていたシリーズの最新作は科学捜査がポピュラーになりすぎて今後に不安を残す印象を残しました。
by yesquire
| 2010-01-09 23:46
| book